インフルエンザとは

16世紀のイタリアの占星家たちは、流行に周期性があることから、星や寒気の影響(influence)によるものと考えました。これがインフルエンザの語源であると言われています。
インフルエンザ(influenza)はインフルエンザウイルスを病原とする気道感染症で、A型・B型・C型・D型の4種類があります。流行的な広がりを見せるのはA型とB型で、D型は主に牛に感染し、人への感染は知られていません。
なお、インフルエンザは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)により五類感染症に定められています。

分類 疾患例
一類感染症 エボラ出血熱、ペスト、ラッサ熱など
二類感染症 結核、鳥インフルエンザ(H5N1)など
三類感染症 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症など
四類感染症 黄熱、日本脳炎、ボツリヌス症など
五類感染症 インフルエンザ、風疹、手足口病など
出典:厚生労働省 感染症法における感染症の分類より一部抜粋

インフルエンザの歴史

毎年世界各地で流行をみせるインフルエンザですが、その歴史は古く、ギリシャ・ローマ時代からあると言われており、紀元前412年のヒポクラテスのリブイの書物にインフルエンザと推測される記載が残されています。
日本でも「三代実録」(862年)という古書物の中でインフルエンザの流行と思われる記載が残されており、江戸時代には「はやり風邪」と呼ばれていたそうです。

このように、古くから世界中でインフルエンザと思われる記述が数多く残されていますが、インフルエンザを正しく判定できるようになったのはここ100年余りで、インフルエンザウイルスが人から初めて検出されたのは1933年のことです。

ウイルスのイメージ
※イメージ図

インフルエンザの特徴と流行時期

日本でのインフルエンザの発生は毎年11月下旬頃から始まり、12月~3月頃が流行シーズンと言われていますが、流行の程度や患者数のピークは毎年異なります。

流行が始まると急速に多くの人に感染し、特に小児や高齢者が重症化する傾向があります。

グラフ:インフルエンザによる年代別入院患者数
出典:インフルエンザの発生状況について(令和2年4月10日)厚生労働省

インフルエンザの流行が大きい年は、呼吸器やその他慢性の病気を持つ方が重症化し、死亡者数が増加する傾向にあり、特に高齢者は影響を受けやすいことが分かっています。

世界的な大流行(パンデミック)を起こした「スペインかぜ」「アジアかぜ」「香港かぜ」「ソ連かぜ」でも多くの犠牲者が発生し、スペインかぜでは、全世界で患者数約6億人、2,000万~4,000万人が死亡したとされています。

インフルエンザの予防

手洗いのイメージ

インフルエンザは、接触や咳、くしゃみの飛沫により人から人へ感染します。インフルエンザに感染しないためには、以下の5つの方法が有効とされています。

●流行前のワクチン接種

ワクチンの接種ではインフルエンザの感染や発症を完全に防ぐことはできませんが、インフルエンザの発症低減や、重症化防止に有効であることが報告されています。
なお、日本ではインフルエンザの流行は12月~3月頃ですので、12月頃までにワクチンを接種しておきましょう。

●手洗い・うがい

手洗い・うがいはインフルエンザに限らず、接触や飛沫感染などによる感染症対策の基本です。流水や石鹸などによる手洗いは、付着した菌を物理的に除去するために有効な方法です。
また、アルコールなどの消毒液を使用するのも効果的です。

●適度な湿度を保つ

乾燥した空気は、喉や鼻などの粘膜の防御機能低下の原因となります。防御機能が低下するとインフルエンザにかかりやすくなるため、エアコンや暖房器具などの使用で空気が乾燥しやすくなる室内では、加湿器などを使って、湿度を50%~60%に保つようにしましょう。

●健康管理

免疫力を高めるためには、日ごろからバランスの取れた食事から栄養をとり、十分に休養することが大切です。
特に、たんぱく質の不足は体力や免疫力低下の原因となります。豆・卵・肉・魚などを普段の食事でバランスよくとるようにしましょう。
また、適度な運動は防御体力を高め、免疫力を高めると言われています。継続的に行うように心がけましょう。

●人混みを避ける

ショッピングセンターや繁華街などの人混みは、感染のリスクが高まります。特に、基礎疾患を持っている方や高齢の方、睡眠不足や体調の悪い方などインフルエンザの影響を受けやすい方は、人混みを避けるようにしましょう。
やむを得ず外出する場合は不織布製のマスクを装着したり、短時間で用事をすませたりするなどの対策をとりましょう。