足の臭いの原因と
有効な対策方法
外出先で靴を脱ぐときなど、自分の足の臭いが心配になる場面はよくあります。足の臭いの根本的な原因は、靴を長時間履き続けることによって、足周りが不衛生になってしまうことです。臭い対策方法はあるのでしょうか。
不衛生な靴と足の汗が臭いの根本原因
もともと靴の構造は閉塞的で、中に湿気や熱がこもりがちです。革靴のように素材自体の通気性が悪いものや、女性のブーツのように全長が長い靴ならなおさらです。もともと汗をかきやすい足にとっては非常にムレやすく、衛生上の問題が発生しやすい過酷な環境と言えるでしょう。もしも出張が多くあちこちを飛び回っているビジネスマンが同じ靴を履き続けていたとしたら…、恐らく、足の環境は劣悪です。
足裏は汗が多いため、悪循環が起こりやすい
足裏は、全身の皮膚の中でもおでこの次に汗腺(汗を分泌する管)の数が多いとされる場所で、足が疲れるほどよく歩いたり、ストレスを感じたりした場合にはたくさん汗をかきます。そのため足裏が汗をかく、靴の中が蒸れる、靴の通気性が悪く、湿気の不快感(ストレス)でより汗で蒸れる…という悪循環が起き、足の雑菌を増殖させてイヤな臭いの根本的な要因になっていると考えられます。
足の臭いは湿度と衛生面を改善することで対策しよう
不衛生な足の皮膚には、カビのような真菌や、ブドウ球菌などの細菌が増殖しやすくなります。なぜならこれらの細菌にとって、湿度の高い靴の中は増殖するのにもってこいの環境であり、汗や皮脂などの分泌物や汚れは栄養源になるからです。ちょうど細菌が食事をするようなイメージで、汚れなどの物質が分解されると、その過程で臭いが発生すると考えられています。
足の臭い対策になる4つのポイント
つまり、足の臭いを抑えるためには、「足や靴の湿度を改善」し、皮膚を清潔に保って「細菌を増えにくくすること」が大切となります。具体的には、次の4つのポイントを参考にしてみてください。
- 対策1:足と靴の湿気を減らすこと
- 対策2:とくに夏の暑い時期は、足の指が覆われていないサンダル状の靴を履くこと
- 対策3:靴下もこまめに履き替えること
- 対策4:入浴後は、足の指の間など、よく水分を拭き取ること
靴はローテーション使いがおすすめ
また、同じ靴を履き続けると、どうしても内部が蒸れた状態が続いてしまうため、通勤用の靴などは数足用意し、日替わりで履くことがおすすめです。可能であれば、仕事場に到着した後は通気性の良い室内履きに履き替えるのも良いでしょう。なるべく湿気を寄せ付けないような工夫をすると良いです。
足の臭いは病気で強まるケースもあります
足の臭いを訴えて病院を受診する患者さんは、足の湿り気や多汗の症状とともに、水虫(足白癬・あしはくせん)や点状角質融解症といった病気を発症しているケースも多いようです。どちらも皮膚病の一種で、真菌や細菌の繁殖が根本的な原因です。とても強い臭いを放つ代表成分としては、イソ吉草酸が知られています。
皮膚科では、水虫と点状角質融解症の違いは見分けられますが、素人目には判断がつきにくいことがあります。また、真菌や細菌が原因といっても、その種類によって治療に有効な外用薬が異なる場合もあるため、足の臭いが強く気になる人は、皮膚科で診てもらったほうが安心です。
足の臭い対策にはこまめなケアが欠かせない
皮膚病である場合を除けば、足の臭い対策で一番重要なことは、普段からこまめに「靴や足の湿気を取ること」につきます。現在の靴と足の状態をチェックして、靴や靴下をまめに取り替えるなど、通気性良く保つ方法を考えて、取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、靴のケアに関しても、脱いだあとはすぐに下駄箱にしまわずに、しばらく換気をして湿気を取ったほうが良いでしょう。ただ、日干しなどをしただけでは、靴の奥の方の湿気や臭いまではなかなか取れないのが現実です。最近では、家では洗うことができない革靴のクリーニングを行う専門店も登場しています。靴だけでなく、足の臭い対策のためにも検討してみると良いかもしれません。