活性酸素とは
~発生する原因と除去する方法~

活性酸素は他の様々な物質と反応しやすい性質があり、老化や病気を引き起こす原因となります。増えすぎた活性酸素は取り除きましょう。

活性酸素とは? 発生する原因とは?

人が呼吸をして酸素を体内に取り込むと、その数%は活性酸素に変化すると言われています。つまり、生きている以上、活性酸素が発生する原因をゼロにすることはできません。活性酸素については、老化の原因になると聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。活性酸素にはそうした良くない面がある一方で、体に必要な面もあります。

活性酸素は、適量ならば良い影響がある

活性酸素は、その量が適切なら体にとって重要な働きをします。たとえば活性酸素の一種であるスーパーオキシドや過酸化水素は、白血球の免疫機能を助けています。また、同じく活性酸素の仲間である一酸化窒素は、血管を緩めて末梢の血流を確保していたりします。活性酸素は、細胞内での情報伝達や代謝の調整、免疫など体の機能や組織に関して重要な役割を果たしているのです。

活性酸素が増えると老化や疾患の原因になる

活性酸素は呼吸以外でも、紫外線や放射線、大気汚染、たばこ、薬剤、金属、酸化した食べ物、病気やストレスなどによっても発生します。一定量を超えた活性酸素は細胞や遺伝子を傷つけ、老化・ガン・動脈硬化・その他さまざまな疾患の原因になってしまいます。
たとえば、活性酸素によって体内の中性脂肪やコレステロールが酸化すると、有毒な過酸化脂質となり、それが新たな活性酸素を発生させます。血管内のLDLコレステロールが酸化した過酸化脂質は動脈硬化の原因になり、皮脂が酸化した過酸化脂質は皮膚の細胞を傷つけ、肌のシワや色素沈着の原因になると言われています。

活性酸素の発生原因を減らし、酸化ストレスを抑える方法とは?

呼吸などにより日々発生する活性酸素は、通常であれば人がもともと持っている抗酸化作用によって消去され、酸化ダメージも修復されています。ただ、体内の抗酸化作用よりも酸化ストレスが勝ってしまうようであれば、健康を損ねる原因になる恐れがあります。
反対に、抗酸化作用を高めたり酸化ストレスを抑えたりできれば、健康維持に役立つはずです。それにはどうすれば良いのでしょうか。

活性酸素が増える原因を減らすには

酸化ストレスを抑えるには、体内の活性酸素を増やさないことです。発生の原因となる紫外線にはUVケア製品などを利用して防いだり、喫煙している人は禁煙したり、食品に気を使ったり、なるべくストレスをためないようにするといったことは、ある程度自分で対策することができそうです。

抗酸化作用はどうやって高める?

抗酸化酵素と抗酸化物質には抗酸化作用が備わっており、人は抗酸化酵素を体内で合成して酸化ストレスから身体を守っています。
抗酸化酵素の一種であるカタラーゼは肝臓・腎臓・赤血球などに多く存在し、抗酸化物質の一種であるビタミンC、カロテノイドなど一部は食べ物に含まれているので、食品から摂ることも意識すると良いでしょう。

活性酸素を減らすことができる食べ物とは

食品に含まれる抗酸化物質にはいろいろな種類がありますが、よく知られているのはビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、ポリフェノール類などです。体内の抗酸化酵素は、加齢とともに作られる量が減ってしまうと言われていますが、抗酸化物質は食べ物から摂ることができ、また、酵素によって処理しきれなかった活性酸素の働きを抑える物質としても期待されています。

抗酸化物質を含む食べ物

抗酸化物質の名称など 抗酸化物質を含む食品の例
抗酸化ビタミン ビタミンC、E、Aなど。
ビタミンAは、βカロテンとして食品中に多く含まれる。
・果物(アセロラ、グァバなど)
・青汁(ケール)
・煎茶
・焼き海苔
・野菜(赤ピーマン、黄ピーマン、パセリなど)
・油脂(大豆油など)
カロテノイド 多くの動植物が持つ黄色や赤色の色素。カロテン類(βカロテン、リコピンなど)と、キサントフィル類(ルテイン、アスタキサンチン)に分けられる。 ・果物(マンゴー、パパイヤ、柿、あんず、柑橘類、すいかなど)
・緑黄色野菜(ほうれん草、にんじん、かぼちゃなど)
・とうもろこし、赤唐辛子
・海藻類(わかめ、ひじきなど)
・甲殻類(えび、かになど)
・いくら、卵黄など
・魚類(さけ、ますなど)
ポリフェノール アントシアニン、イソフラボン、サポニン、セサミノール、ルチン、カテキン、テアフラビンなど。
セサミノールは、ゴマの成分が変化してできる。
・ブルーベリー
・大豆
・ごま
・そば
・緑茶
・紅茶やウーロン茶などの発酵茶

まとめ

活性酸素は人が呼吸をするだけで発生してしまうものですが、健康維持のためには、必要以上に増えないようにすることが大切です。そのためには、体の内外から抗酸化作用を高める工夫をすることがおすすめです。今回ご紹介したような、活性酸素を増やす原因となるタバコを吸わないことや、抗酸化作用のある食品を摂ることは自分の意思で取り入れることができる方法です。また、適度な運動は健康のためにとても良いのですが、過度な運動は酸化ストレスを高めてしまうと言われています。食事から摂る栄養素に関してもバランスが大切ですので、偏らないようにご注意ください。