食事で中性脂肪を下げるには
~中性脂肪値が上がる原因とその解決方法~

中性脂肪はいわゆる“あぶら”であり、体脂肪の大部分を構成しています。中性脂肪の値はメタボの診断基準にも含まれており、コレステロール値とも深い関係があるので、食事などに気を配って、中性脂肪を下げるように心がけましょう。

中性脂肪とは? コレステロールとの関係性

中性脂肪は、トリグリセリドやトリグリセライドとも呼ばれ、肉や魚などの食品や食用油に含まれている脂質です。体内の脂肪のほとんどはこの中性脂肪であり、普段はエネルギー源としてや脂溶性ビタミンなどの摂取に貢献しています。しかし摂りすぎると、エネルギー消費されずに余った分が皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積され肥満の原因となり、動脈硬化症や脂質異常症などのさまざまな生活習慣病を引き起こす恐れがあります。

中性脂肪とコレステロールの関係性

中性脂肪などの脂質は血液を通って全身に運ばれるため、血液中の値を調べることが生活習慣病の予防や発見に役立ちます。血液中の脂肪(血清脂質)には、中性脂肪の他にもコレステロールなどがあり、血液中でこれらの脂肪値が高くなると、脂質異常症と診断されます。コレステロールには善玉のHDLと悪玉のLDLの2種類がありますが、中性脂肪が増えると善玉のHDLコレステロールは減り、悪玉のLDLコレステロールは増加します。その結果、増えすぎたLDLコレステロールが血管壁に付着して、動脈硬化が促進されてしまうため、LDLコレステロール値を注視することも大切です。

この値は脂質異常症? 中性脂肪の基準値を知っておこう

日本動脈硬化学会のガイドライン(2007年4月)による脂質異常症の診断基準は、次の通りです。

「成人の身体活動レベル(男女共通)」食事摂取基準2015年度版より抜粋

脂質異常症の診断基準(※空腹時の血液中の値) 脂質異常症の種類
LDLコレステロール値 140mg/dl以上 高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール値 40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
中性脂肪値 150mg/dl以上 高トリグリセライド血症 (高中性脂肪血症)

中性脂肪が上がる原因と、中性脂肪を下げる食べ物

中性脂肪の値が上がる原因としては、カロリーの摂りすぎが考えられます。たとえばスイーツなどの甘い食品や、アルコール、油もの、炭水化物、砂糖入りのソフトドリンクなどを好んで摂取する人は要注意です。こうした食品の摂りすぎに気をつけて、運動やダイエットをすると中性脂肪を下げることができます。
また、青魚には中性脂肪を下げる働きがあると言われています。

中性脂肪は喫煙によっても上昇する

もし喫煙の習慣があるようなら、それがさまざまな検査値の異常を招くことを把握しておいたほうが良いでしょう。喫煙は脂質異常症の基準値にも悪影響を及ぼし、HDL コレステロールの低下と、LDLコレステロールや中性脂肪の上昇を招きます。

動脈硬化を進行させる悪玉コレステロールも減らそう

悪玉のLDLコレステロールの数値は、食事で飽和脂肪酸やコレステロールを摂りすぎると高くなってしまいます。飽和脂肪酸を多く含む肉の脂身、バター、ラード、生クリームや、コレステロールを多く含む卵黄や魚卵を控えた食事を心がけることで、LDLコレステロールを下げましょう。

善玉のHDLコレステロールを減らさないことも大切

悪玉のLDLコレステロールは動脈硬化を進行させますが、善玉のHDLコレステロールは動脈硬化を抑制してくれます。肥満や運動不足、喫煙習慣があると、HDLコレステロールを低下させてしまうので、減量や運動、禁煙に取り組むことも重要です。

中性脂肪を下げるDHA・EPA配合のサプリ

中性脂肪を下げる働きがある青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸が多く含まれています。オリーブオイルに豊富に含まれるオレイン酸も、不飽和脂肪酸の一種です。また、体内で合成することができず、食事などから摂取しなければならない必須脂肪酸も、不飽和脂肪酸に分類されています。

これらの不飽和脂肪酸には動脈硬化や血栓を防いだり、LDLコレステロールを減らしたりと嬉しい働きがたくさんあるため、日々の食事から摂るように心がけたいものです。なお、DHAやEPAを配合したサプリメントを摂取する方法でも、血液中の中性脂肪や総コレステロールを低減する効果が期待できます。手軽なサプリメントを活用するのもおすすめです。