突然起こるホットフラッシュの
症状と対策方法
ホットフラッシュとは、更年期に悩まされる人が多い顔面紅潮を中心とした症状です。予期せず突然起きることから日常生活に影響が出ることも。ホットフラッシュ対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
更年期に多いホットフラッシュの症状
男女とも40歳を過ぎると、更年期障害の症状が現れることがあります。ホットフラッシュはとくに更年期の女性にみられる症状で、上胸のあたりから首や顔面にかけて急に熱感が出て、顔面紅潮や発汗を伴うことが一般的です。
ホットフラッシュの症状と傾向
のぼせや顔の火照り(顔面紅潮)、汗が吹き出てくるといったホットフラッシュの症状は、突然現れて繰り返し起きる傾向にあります。外出時や人前でも起こる可能性があるので、慌てたり恥ずかしい思いをしたり、精神的な負担を感じてしまうデメリットもあります。
それに、更年期障害の症状は多岐にわたります。そのためホットフラッシュとともに、動悸や息切れ、血圧の上下、耳鳴り、頭痛やめまいなどにも悩まされている女性はたくさんいることでしょう。
ホットフラッシュはQOLの低下も招きかねない
睡眠をきちんと取ることは、いわゆるQOL(クオリティーオブライフ)を維持するうえでかかせません。不眠が慢性化すれば、日中の疲労や不調感などを増してしまう大きな要因となるからです。しかし、ホットフラッシュの発汗・のぼせといった血管運動神経症状は、更年期女性の不眠のきっかけになりやすいと考えられています。
ホットフラッシュの原因は?
女性の更年期障害は、閉経期前後に女性ホルモンの一つである卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減ることで起きます。ホットフラッシュの症状もこのエストロゲンの減少に起因すると考えられます。エストロゲンが減少してホルモンが乱れると、自律神経失調症と同様の症状が現れるのです。
また、ホットフラッシュをはじめとする更年期障害の症状には、感情が高ぶったりイライラしたり、不安やうつなどの精神的な症状も伴います。ストレスが原因となって、症状が悪化するケースが多いことも指摘されています。
ホットフラッシュの対策方法
更年期障害とその代表的な症状であるホットフラッシュへの対策方法としては、一つにはホルモン剤による薬物治療があり、のぼせや発汗の症状が原因で不眠になってしまった場合の対策法としても有効と言われています。同時に、長期的なホルモン補充療法は心筋梗塞や脳梗塞、乳がんなどのリスクを高める恐れがあるとの報告もあります。他の対策方法としては漢方療法や、症状を予防する観点から行われる食事療法などがあります。
エクササイズや大豆などの天然由来成分にも注目
研究者の間では、心身のエクササイズや、大豆などの天然由来の成分を、ホットフラッシュ対策に用いる試みも行われています。
たとえばヨガや太極拳のような瞑想に基づくプログラムは、ホットフラッシュをはじめとする症状の頻度や程度を和らげる可能性があるといいます。
また、ハーバード大学の研究者らのチームが、ホットフラッシュの効果的な治療法を見出すために大豆イソフラボンの持つエストロゲン様作用に注目して共同研究を行った事例なども報告されています。
ホットフラッシュは漢方薬で治療できる?
一方、漢方療法に関しては、更年期障害に効能・効果を示すことが認められている漢方薬がいくつかあります。ホットフラッシュの程度や、他にどのような症状を抱えているかは人によってだいぶ違うので、気になる方はまず病院などで相談してみてください。
まとめ
ホットフラッシュなどの更年期障害は一般的に、閉経期前後の約10年間に起こります。長期戦のため、婦人科などを受診したうえでホルモン剤や漢方などの薬物治療を受けるという選択肢もあると覚えておくと安心です。
また、外出先では突然のホットフラッシュに対応できるように、ハンドタオルや扇子などを携帯するとよいでしょう。そうした小物は自分の好きなデザインのものを選ぶのも一つです。夜間に眠りが浅いようであれば寝室を心地よく整えるなどし、少しでも自分がリラックスできる方法を探してみましょう。